3.その先の社会とは ー和楽な社会の4つの可能性ー

私たちは和楽社中は日頃の活動、私たち自身の暮らしを通 して、ひとつの暮らし方のモデルを提案しています。現代ニッポンにおいて和の道具を使うことによって、私たちの暮らしはどうなるのか。下の【和の道具と暮らし、社会の関係図】の流れをご覧下さい。

 

もちろんこんな簡単に事は運びませんが、ひとつのモデルとして考えてみて下さい。現代のニッポン人が抱えている問題の根底には時間がないから物質的に欲求を満たしていることがあると考えます。もっと言えば企業などの欲求をかき立てるような製品のイメージトリックに引っかかっているとも言えます。  しかしながら時間的ゆとりに魅力がないと人は動かないでしょう。そこで和の道具を使うことで時間的ゆとりを持つことができ、それはどんな魅力のある社会なのかを下にまとめました。このモデルは現代ニッポン人が抱えている問題の解決策の一つとなり得ると考えます。

日本の暮らしの特徴1

和の道具を暮らしのレベルで使い直すことで、現代ニッポンの趣味的・収集的、儀式的・非日常的な文化から、【生活的、日常的な息づいた褻(け)の文化のある社会】になっていくことでしょう。暮らしが文化であり、文化が暮らしである。これは切っても切れない縁であると考えます。
 着物を普段着で着る(使う)ということは、袂を寄せたり、正座をしたり、ゆっくりと歩いたりと、物質としてだけでなく、【行為としての文化も再生してくる】わけです。

日本の暮らしの特徴2

古いものを使ったり、ものを長持ちさせる暮らしは、その方法や知恵を、子どもたちは親やおじいちゃんに学ぶことでしょう。世代を超えた共通 ・共有できる道具(装置)が暮らしの中に存在すると言うことになります。また古いお祭りや習慣などがあるということは、世代や家庭を超えた共通 ・共有できる装置が地域に存在しているとも言えます。つまり【世代が交流できる社会】となっていくのではないでしょうか。
 私たちは今、この土地を過去の人たち受け継ぎ、そして未来たちの人から借りて生きているわけです。そんな謙虚な姿勢も古い道具を長持ちさせて使うということで養われると思います。
 現代ニッポンの福祉というともっぱら介護一辺倒で<老人はしてもらう>存在としてしか見ていません。古い道具や知恵を老人から学ぶことは<老人にしてもらう>存在になるはずです。

日本の暮らしの特徴3

植物性の素材の多い日本の暮らしは、自然環境を重視する21世紀の暮らしに多くのヒントをもたらすことでしょう。リサイクルに沿った暮らしは、自然の活かし方、取り入れかにもヒントが隠されていますし、自然への感謝、自然を大切にする心も育んでくれるはずです。
 何よりも現代ニッポンのような大量 消費・大量所有でない日本の暮らしは【自然のと共存できる社会】を可能とするでしょう。

日本の暮らしの特徴4

何よりも、ものが少なくてすむ日本の暮らしは、現代ニッポンのように消費欲のために裂いてきた賃金労働時間から解放を意味します。この時間的なゆとりは、レギュラージョブと地域のボランティアの顔といったように、自分にもう一つの顔を持つワークシェアリングを可能にするのではないでしょうか。
 これはひとつの決まった組織だけでは自分を表現しきれない人たちへの救いでもあります。時間的なゆとりのある、そういった社会の成熟を後押ししてくれるのではないでしょうか。

現代社会における日本の暮らし=和楽な暮らし

以上のように日本の暮らしに少しずつ戻していくことによる、その先の社会のもつ4つ可能性をあげてみました。これは現代ニッポンではまだまだ大きな幻想かもしれませんが、理想とする社会を描くことで和楽社中の活動、日本の暮らしに改善していった先にあるものを示すことができると思います。特に今おかれた状況では難しくて理解できない人でも、少しずつ和の道具を暮らしの中に取り入れて見てはどうでしょうか。
 とくにこの国際社会の中で生きて行かなくてはならない私たちにとって、ちょっと昔の日本の暮らしに戻すことは並大抵のことではありません。そこで私たちは自分たちからはじめていく活動指針となる「和楽宣言」による心構えと、今を生きる現実的なバランスによる「七和三洋」の精神を提案し、現代社会における日本の暮らしの総称として「和楽な暮らし」と呼ぶことにしたのです。つまり上記の4つの社会の可能性とは「和楽な社会」の可能性なのです。


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