使うための日本の道具事典

柳行李【やなぎこうり】

■辞書の意味:背の低いヤナギの一種の枝で編んだ衣装などを入れておく(送る)用具。
■和楽的観点:ものを大切にする「箱入れ」暮らしの象徴!


■素材と形は?
 材料は豊富で安価な背の低いヤナギ(カワヤナギ)。江戸時代にはいると、カワヤナギを栽培していたそうです。そのカワヤナギの細い枝を麻糸で編んで作ります。
 カワヤナギは虫がわきやすいので、和紙でくるんだり防虫効果 のある柿渋を塗ったそうです。
 植物からできている柳行李は軽くて丈夫。弾力性もあり大小自由に作ることが可能です。素材が植物ですから適度に呼吸するから、おにぎりなどを入れても腐らないそうです。


■使い方は?
 行李は一人一個の着替えや手回り品の収納具。日本人の簡素な暮らしの証明でもあります。用途に合わせて様々な行李がありました。永沢行李・大荷行李・多馬行李・袈裟行李・上下(かみしも)行李・飯行李・薬行李・旅行李…。名前だけではわからないものもあったので、知っている人教えて下さい。実際、僕のおばあちゃんに聞いてみましたら、柳行李の中に風呂敷を敷いて、その上に着物などを入れて、それから風呂敷を包んで、フタをかぶせて保管したそうです。僕もそう使っています。
 戦前は竹細工屋さんで売っていたそうです。大中小の三つセットで売っていたところが多かったそうです。一番小さい柳行李は子供用だったそうです。後に柳行李はブリキに変わり、今では透明の収納ケースに形を変えましたが、収納という意味ではどっこい残っているんじゃないでしょうか。
 注意点はあまり重いものは入れてはいけません。あくまでも素材は植物なので、いかれてしまいます。僕もそれを知らずにたくさん入れていたら、だめになってしまいました。今ではガムテープで留める有様です。ホントは綿の太い糸で縫い合わせたいけど…。


■ここが和だ!

 日本は昔、何でも箱に入れたそうです。今でも高級な茶碗を買うと箱に入っていますよね。そういえば、僕の実家のお寺の掛け軸も普段は箱に入っています。いちいち丁寧に仕舞う、日本人のモノを丁寧に扱う暮らし、物持ちのよい暮らし「箱入れ行動」の象徴が「柳行李」ではないでしょうか。でも過剰は禁物。
 それが明治以降、出し入れに便利な箪笥が普及し箱入れ行動は変わっていったそうです。


■使っていての感想
 いわゆる透明の衣装ケースはうちにはありません。すべてこの柳行李に変えました。ほのかに呼吸のできる柳行李の方がむせたりしないのでいいんじゃないかと思っています。確かに衣装ケースと比べると丈夫とは言えません。まさに便利さよりも心地よさを選んだ道具です。(ゆう)



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