■素材と形は?
針箱はいわゆる裁縫に使う道具を仕舞う“針箱”の部分と“絎台”(くけだい。図の右側)と呼ばれる絎けやすいように衣服の端をひもで引っ張っておく台からなります。
絎台の上部は針がたてるようになっております。なかなかよくできています。高さはだいたい40センチくらい。体に合わせてあります。絎台の棒は折り曲げて仕舞うこともできます。気になる中身ですが、針、糸、はさみ。これが三種の神器。
私の持っているのは絎台のついてないものです。でもいろいろ隠し扉ならぬ、隠しケースが合ってへそくりもしまっておけます。
※絎ける【くける】…布を裏側に折り曲げて縫いつけること。
■使い方は?
今では、ほとんどの和裁業界で針箱は使われていません。実際、庶民はいわゆる針箱を持つことも多くなく、菓子箱なんかを使っていたようです。
また絎台ももともとろ庶民は持っていたかというとそうでもなく、脚を使って布の端を押さえていたそうです。それがみっともないということで、絎台は嫁入り道具に加わったそうです。日本の室内は床座が基本。つまり手と床、手と足が非常に近い。しゃがまなくても手は床につく。ということはちょうどサルが体操座りのように座って、足も手と同じように使ってバナナなんかを食べる姿といっしょ。そんなふうに日本人は五体を使ってのものを作る。考えてみるとそんな場面
にいろいろなところで出会うのでは。
私は古道具市で針箱を手に入れたのですが、糸や針や手帳などいろいろはいっていました。糸は絹糸でした。やっぱり和裁ですね。ちなみに絹糸は切れやすいですが、それは着物の生地を守るため、つまり糸は切れても生地が破れないためだそうです。ものを大切にする日本人の心が伺えます。
ちなみに着物暮らしをはじめて、毎週一回はお張り箱と向き合っています。
※和裁…基本的に布地の寸法を基準に縫い合わせる。
※洋裁…体に合わせて縫い合わせる。
■ここが和だ!
針箱は柳行李といっしょの思想が流れているのでは。つまり「箱入れ行動」。乱れを押し隠す、シャットアウト収納は日本人のあこがれなのでしょうか。現在の電化製品も欧米のものに比べ、コンパクトにしまえるものが非常に多いですよね。(じゅん)
■使っていての感想
針箱もよく使いますね。着物暮らしですといつも古着ですから、しばしば糸が切れます。そういうときはすぐに針箱を持ってきて、大好きな縁側で針仕事です。ただ針箱に持ち手がついていたらもっといいのになっていつも思います。(ゆう)
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