和楽な着物暮らし

着物暮らしは寒くないの?

 「着物は寒くないの?」。これまでに何百回ともなく聞かれました。とくに着物の場合、袖口が大きいこと、衿首が大きいことが寒さを感じる理由かもしれません。でも、開口部が大きいことは裏を返せば「夏も旨とすべし」という吉田兼好(室町時代の有名な人)の言葉(建物話ですが)に通じるんじゃないでしょうか。 寒さ対策はズバリ<着込め>ということです。
 でもやっぱり寒い時は寒いですよ。寒いのが冬。これも和楽のひとつの真実です。



■全然寒くありません。着こみますから!

 多くの人に「着物だと冬は寒いんじゃないの?」って聞かれます。寒くないですよ。着物だって洋服といっしょでちゃんと冬の防寒着はありますから。
 例えば表地と裏地の間に綿を入れた綿入れの長着、羽織もあります。その他にも丹前【たんぜん】(=褞袍【どてら】)ねんねこ【ねんねこ】ちゃんちゃんこ【ちゃんちゃんこ】半纏【はんてん】亀の子【かめのこ】などがあり、長着の上に着ます。
 さら長着や襦袢の下にラクダ【らくだ】を着ると完璧です。逆に暖房の利いているお店や建物に入るととっても熱い。いかに薄着で暖房をかけまくって今のライフスタイルが回っているかわかります。



◆防寒着のいろいろ

ちゃんちゃんこ 袖がないのが特長です。とくに背中が暖かいです。

 

半纏 半纏は長着の綿が入った形なので、全身がほっこり。でもその分機動性には欠けますね。


ラクダ キルトのものよりも毛のものの方が暖かいです。

 

袖口と足首 ラクダを着ると袖口と足首から見えてきます。僕は靴下をかぶせています。



▲綿入れ【わたいれ】 表地と裏地の間に綿を入れた長着や、羽織、ちゃんちゃんこなど。

▲丹前【たんぜん】 着物の一種。冬の部屋着です。長着や浴衣の上に、対丈(ついたけ)で着ます。表地と裏地の現在はウール地の単の物が主流で、旅館などで見受けられます。関西では丹前、関東では褞袍(どてら)ともいいます。その名前の由来がおもしろい。江戸時代初期、神田の堀丹後守(たんごのかみ)の屋敷の前に丹前風呂というお風呂屋さんがあったそうです。このお風呂屋さんに通う男伊達(男らしいという意味)が着始めた異様な衣服が由来だそうです。

▲ ねんねこ【ねんねこ】 ねんねこ半纏、子守半纏ともいいます。冬赤ちゃんを背負って、その上から着ます。そのため形は衿が大きく、広袖で衽もあり、丈は膝くらいまであります。布地に縫いつけた紐で締めます。綿入れでないものもあります。けっこう重宝しますよ。オススメの一品です。たいてい、ねんねこを着ているとお年寄りの方に懐かしいとか、これで育ったんだよっていわれます。

▲ちゃんちゃんこ【ちゃんちゃんこ】 袖無し羽織ともいいます。関西ではおでんちともいいます。これがまた重宝します。背中の暖かいこと。もともと子どもの防寒着ですが、最近は老人の防寒着ですね。水戸黄門の影響が大か?

▲半纏【はんてん】 形は羽織と似ていますが、衿を折り返さずに着ます。だから羽織紐にそうとうする紐のついていません。また羽織の横の部分には襠(まち)がありますが、襠も付いていません。だから窮屈羽織(きゅうくつばおり)とも呼んだそうです。江戸時代、女性は羽織を着てはいけなかったので、半纏が重宝されました。他にも職人が着る印半纏(しるしはんてん)や鳶職の頭が着る革半纏、火消しが着る長半纏など職業を表すためのものもあります。

▲ラクダ【らくだ】 ラクダは冬の着物暮らしにはなくてはならないアイテムです。女の子だったら「ババシャツ」がそれに当たります。戦前の映画にも着ているシーンは出てきます。本当の着物暮らしです。スーパーの下着売場に売っていますよ。


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