和楽な着物暮らし

食事の用意は「ひっぱり」で

 着物の特長はなんと言っても袖の「振」ですね。「振」が長い方がかわいいです。だけど、洋服に慣れた私たちには不便さを感じる時が多々あります。
 女の人などは特に家事があるので、袖をふりふりなどしていられません。そんな時、ひっぱり【ひっぱり】は大変便利です。着物に上にひっぱりを羽織ると袖が中に入り、邪魔になりません。簡単なエプロンの役目もしますので家事には必要不可欠です。



■その秘密は筒袖にあり

 着物の上から着ると自然に袖が中に入ってしまいます。袖口がゴムの物が便利です。
 左の内側のひもを結び、前を合わせて右前のひもを結びます。男性がが着る作務衣【さむえ】のような感じです。素材がウールなど洗濯のできる生地なので、汚れても平気です。着物の帯下あたりまで丈があるので、水仕事をしても着物が濡れる事が防げます。
 注意として、ものによっては身八つ口【みやつくち】があるものもあります。身八つ口から袖が出ないようにしましょう。着物の袖などがたまに出ている時があります。



■お買い物にひっぱりを着て

  あくまでエプロンのような物なので、あまり正式な場所にはやめておきましょう。ちょっと近所の八百屋さんへ。着物の上にひっぱりを着てかごを持って歩けば、ほら、なんてかわいいのでしょう! それに、よそさんのお宅へ着物で行くときに、「ちょとお手伝いしますわ。」など言いながらひっぱりを出してきたら好感度アップは間違いなし。柄もいろいろあるので寒い時の家着用として重宝します。
 そうそう部屋が寒いとき、着物の上から着ていても防寒着になります。(まりえ)



◆ひっぱりビフォーアフター

ひっぱり使用前 ほらほら袖がじゃまですね。それに汚れしています。

 

ひっぱり使用後 これなら袖もじゃまにならないし、汚れても平気!



ひっぱり【ひっぱり】 まじりもののない絹糸、また絹織物。本絹(ほんけん)。純絹。いわゆる天然の絹です。絹はお蚕(かいこ)さんの繭からとるので、天然の動物性です。

▲筒袖【つつそで】 和服の袖の形の一種。活動しやすい日常着や労働着に用いられます。

▲作務衣【さむえ】 作務のときに着る服。作務とは全集の用語で農作業や清掃などのことです。上は筒袖で縫いつけてある紐で縛るため帯はいりません。下はズボン状の二部式。藍(あい)染めの木綿などで作ります。

▲身八つ口【みやつくち】 女性の着物の身頃(胴の部分)と袖のつなぎ目に穴があります。身頃の穴の方を身八つ口と言います。逆に袖の穴の方を袖八つ口(または振り)と言います。お端折(はしょり)を整えるためにあります。

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