1974 年京都生まれ。もともと農家の家だったが、父が農家を継がず建設業(工務店)経営を始める。そんな父に影響を受け、そして父に憧れ建築の道に進む。大学卒業時に現代の建築、そして日本の教育システムに疑問を感じ、海外逃亡。そのヨーロッパ放浪中にスイスの山奥の小さな村にある小さな教会に感動し、建築の魅力を再認識する。帰国後、いろんな女性の魅力にも惹かれ転々とするが、父の死をきっかけに京都に戻る。その後、設計事務所勤務を経て独立。・・・『和楽社中建築部門・百年家』
和楽を始めるきっかけ1…すっと引っかかりを感じていた
僕は、高校時代から学んできた建築を職業として選び、今、その道にいるわけですが、ただ建築の中のデコレーションをデザインするというより、当たり前のことかもしれませんが、人の心理・記憶といったものを考えるということを大事にしていきたいと思っています。
そんな僕個人が考える建築(あえて僕の好きな建築と言った方がいいのかも?)は、安藤忠雄氏などのミニマリズムに近いと思ってます。ただ『ミニマリズム』という言葉。評論家が勝手に使い出したものかもしれませんが、その単語に、僕は違和感というか、ひっかかりを感じていました。
和楽を始めるきっかけ2…マックスを求めないという答え
そんな中で、社中の友だちから、和楽的な考え方を聞き、「MAXを求めない日本の生活」に衝撃を受け、自分が考えていたものは日本文化・日本人の生活だったんだと難しく考える必要がないことに気づきました。
ただ、そのなんでもない昔の日本人の生活や知恵といったものが、現代の僕たちからすれば知らないことだらけ。だからもっと知りたいと思ったのが、きっかけです。でも、この和楽社中入りを決めた一番のきっかけは、他の社中員たちがすごく魅力的で、僕が彼らに惚れたということです。
将来の夢…100年持つ家をつくる
これは夢というかこれからの僕の目標ですが、「100年もつ建物を創る」ということです。
100年建物がもつというのは、これはなかなかスゴイことです。あの国会議事堂ですら、まだ築70年なのですから・・・。
高層建築物を見れば分かりますが、今、建築の技術の進歩はすばらしく、構造的には100年でも200年でも耐久性のあるものをつくるのはそんなに難しいことではないでしょう。一番難しく、そして何よりモノを創る時に一番大事なのは、長く愛されるか?そして長く使われるか?ではないかと思います。ましてや100年となると世代を超えて愛されなければいけない。そう思うと、いい加減な気持ちでモノは創れないですね。
社中の仲間といろんな話をしていく中、自分が職業としている建築で、そういうテーマが明確になったことは、とても僕にとっては自分の考えていることを説明しやすく、またこれからの仕事の中で考えていきやすくなりました。
これから「100年もつ建物」を目標に設計活動をしていきますが、実際に世代を超えて愛される建築に携わることが僕の夢です。
和楽ノススメ…すごく気分が楽になった
「和楽な暮らしをはじめるきっかけ」や「将来の夢」の部分と重複しますが、和楽を考えていき知っていくことで、今までなんだかわからないけど不満だったことや不安だったこと、しっくりこなかったことなど、現代の日本の社会、また自分の考え、そういったことが自分で整理しやすくなった。整理しやすくなると、すごく気分が楽にもなるし、目標とするものや自分の生き方ってものが明確になってきて動きやすくもなります。これは、すごくありがたいとことです。
日本の建築とは?…『間の美』だと思います
日本の美ってのは、中国や西欧の装飾の美ではなく、間の美だってことに僕は惹かれてます。特に庶民のものは。もちろん日本にも日光東照宮のような装飾が象徴的なものもあるけど、基本的には素朴で質素でそれでいて美しいという『間』の美・『簡素』の美が僕の好きな日本の感性。「美」と「かわいらしさ」の違いだったりするものかもしれません。
よく木造建築は暖かく、鉄筋コンクリートは冷たいといった印象を素材で受ける人も少なくないと思いますが、僕は日本の伝統的な建築はけっして暖かいものとは思ってません。むしろ暗くてクールなものが日本建築の特徴の一つだと思っています。
日本には部屋の呼称だけでなく、日常使われる言葉にも、間が悪い、間抜け、間違い、また、間にあわない等々、多くの『間』があります。その『間』が使われた言葉の一つで、日本人の独特な感性でもある『間合い』の感覚。これこそ私達日本人が、『間』の中に育ったがゆえの、その『間』が私達日本人にもたらせた感覚だと僕は思っています。
遠慮、思いやり、ふれあい、和むなどは『間合い』から生まれ、感性にまで磨き上げられたものです。『間』で生活してきた日本人は、逆にいえば、そういった心をもって暮らさざるを得なかった住まいのつくりだったのかもしれませんね。






